トカゲ(爬虫類)の日光浴とバスキング バスキングランプ(ライト)の距離・設置方法

2019年10月26日

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日光浴をするトカゲ

バスキングとは変温動物であるトカゲなどの爬虫類が太陽の光を浴びて体を暖める行為を指し、活動に必要な熱を得るためにも非常に重要な役割をはたしています。

飼育環境下において太陽の光の役割をするものがバスキングランプ(ライト)なのです。

トカゲの日光浴とバスキング

通常は反射塗料が塗られたレフタイプの電球でメーカーごとに反射角度が違い、その結果として照射角度も変わってきます。

白熱レフ球型のものが主流ですが、ハロゲン球やそれに防滴防水加工を施したものなども販売されています。

単焦点のものと複数焦点を持つものとでは温度勾配のつき方が全く違い、また、どれくらいの距離から照射するのか?どういう角度でランプを設置するのか?ケージのサイズはどれくらいなのか?生体のサイズはどれくらいなのか?というような条件次第でどういうタイプ・ワット数のバスキングライトをどのように点灯するかが変わってくるので飼育者の経験とセンスが問われる部分だと言えるでしょう。

たとえば、全長20cmのトカゲを60×30×36cmのケージで飼育する場合なら、ケージの片側に50Wのバスキングライトを真下に向けて設置すれば適切な環境を作れるかもしれませんが、全長40cmで高温のホットスポットを必要とするトカゲの場合には、最低でも60×45×45cmのケージを用意して100W以上のバスキングライトを若干斜めに傾けて設置し、ライトが照射する範囲には平たい石などを置く必要があります。

このように言葉で説明すると非常にややこしい感じがしますが、バスキングライトの持つ意味を考えると設定はそれほど難しいものではありません。

選好体温を知る

トカゲはそれぞれのライフスタイルに応じて選好体温が違います。選好体温とは活発に活動するのに必要な体温のことを指し、種によってそれぞれ差があるものです。

餌を食べ、それを消化するのに必要な体温だともいえ、その要求を満たしていないとトカゲの健全な成長はないでしょう。

また、選好体温の他にも最低限活動するために必要な体温というものも種によって違い、たとえばホットスポットの直下は40℃あるのに、それ以外の場所が10℃くらいしか温度がない場合は種によってはスポットの下まで辿り着けずにジッとしてしまったり、逆にスポットの下で体を暖めながらも鼻からは冷たい冷気を吸い込み、全身が十分な体温まで高まることなく一部分のみを局所的に暖めてしまい、部分的な低温火傷を起こしてしまうことがあります。

つまり、選好体温まで体温を上げるために必要な高温部であるホットスポットと上がり過ぎた体温を下げるための低温部が両立しているような環境を作ればよいのですが、高温部はトカゲが全身を暖めることができるような範囲を照射するライトを使用する必要があるという点と低温部は最低限の代謝が行えるような温度が必要であるという点が重要なポイントで、それさえ分かっていればライトの選定や照射角度の付け方まで、必然的に決まってくるでしょう。

さらによい条件を求めるのであれば、ケージ内の温度が高い部分と低い部分の二極化するような環境ではなく、段階を追って温度勾配が緩やかについているような環境を作るべきです。

そうすれば、変温動物であるトカゲは選好体温を保つために自らケージ内の最適な温度帯を求めて動き回ります。

なお、基本的に夜行性種の場合、日光が照っていない時間帯に活動を行うため選好体温も低く、ケージ内にも特別高温のホットスポットが必要ない場合がほとんどです。

また、高山地帯に生息する種や水辺に生息する種、薄暗い林床部に生息する種でも選好体温が低く、同じように高温のホットスポットを必要としません。

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-トカゲの飼い方