ニホントカゲは夜行性ではない?夜に見かけるトカゲはヤモリ?

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ニホントカゲは夜行性ではない?夜に見かけるトカゲはヤモリ?

ニホントカゲは完全な昼行性のトカゲで、太陽の光を浴びる時間帯に活発に活動します。

日本に生息するトカゲの仲間の中でも、特に日光浴を好む種として知られています。

ニホントカゲは夜行性ではない

ニホントカゲの活動時間帯

ニホントカゲが最も活発に活動するのは、日中の気温が25℃前後になる時間帯です。

具体的には、春から秋の晴れた日の午前中から昼過ぎにかけてが活動のピークとなります。

特に午前中の気温が上がりきっていない時間帯に日光浴をしていることが多いので、自然の中でニホントカゲを観察したいなら午前中に探すのがベストです。

夕方になって気温が下がり始めると、ニホントカゲは活動量を徐々に減らし、夜間は完全に休息状態に入ります。

ニホントカゲの休息場所

夜間や雨天時、ニホントカゲはどこで過ごしているのでしょうか。

彼らは主に石の下や地中に掘った巣穴、落ち葉の間、草むらの中などに身を隠して休息します。

自分で掘った巣穴は外敵から身を守るだけでなく、温度や湿度の変化からも保護してくれる重要な安全地帯となっています。

このように、ニホントカゲは一日の大半を地表で過ごす昼行性の爬虫類であり、夜間に活動することはありません。

夜に家で見かけるトカゲの正体はヤモリ

では、夜間に家の中や外壁で見かける小さなトカゲのような生き物は何なのでしょうか。

ヤモリの画像

ヤモリは夜行性の爬虫類で、日没後から明け方にかけて活発に活動します。

ヤモリは昼間は隠れ家で静かに過ごし、暗くなってから餌を探しに出てきます。

ヤモリが夜活動できる理由

ヤモリには夜間活動に適した特別な能力があります。

まず、目が暗闇でも物を見分けられるように特化しており、猫のように縦長の瞳孔を持っています。

そのような目のおかげで、わずかな光でも効率的に取り込むことができ、夜間でも獲物となる昆虫を見つけることができるのです。

また、ヤモリの皮膚には特殊な色素細胞があり、暗い環境に適応して色を変えることができます。

ヤモリが家に出現する理由

ヤモリが家の中や周辺に現れる理由は主に二つあります。

一つ目は、家の明かりに集まる虫を捕食するためです。

家の照明に引き寄せられる蛾やカ、小さな飛翔昆虫はヤモリにとって格好の餌となります。

二つ目は、家が提供する安定した微気候環境です。

家の壁や天井は日中暖められ、夜間も比較的温かい状態を保つため、変温動物であるヤモリにとって理想的な環境となることがあります。

季節による活動の違い

季節によってもニホントカゲとヤモリの活動パターンは変化します。

ニホントカゲは気温が15℃以下になると活動が鈍り、冬期は完全に土中で冬眠します。

一方、ヤモリも冬季は活動が低下しますが、家の中のような保温された環境では、冬でも暖かい夜には活動することがあります。

そのため、冬の間に家の中で見かける爬虫類はほぼ間違いなくヤモリだと言えます。

ニホントカゲとヤモリの見分け方とは?

ニホントカゲとヤモリは、一見似ているように見えますが、いくつかの特徴を知っておくと簡単に見分けることができます。

体の構造

ニホントカゲの体は比較的細長く、頭部から尾にかけてなだらかな体型をしています。

体長は成体で15〜25cm程度で、そのうち尾が全体の約6割を占めています。

一方、ヤモリの体はより扁平で、胴体部分が平たくなっています。

これは壁に張り付くという生活様式に適応した体型です。

皮膚と鱗

ニホントカゲの皮膚は小さな鱗で覆われており、光沢があって乾いた質感をしています。

触れると硬さを感じるでしょう。

対照的に、ヤモリの皮膚は柔らかく、細かい突起に覆われていて、手触りはざらざらしていることが多いです。

これは壁に張り付くための特殊な表面構造によるものです。

足と指の構造

最も決定的な違いは足、特に指の構造にあります。

ニホントカゲの指は細長く、先が尖っており、爪がはっきりと確認できます。

対して、ヤモリの指は広く平たく、先端が膨らんでいるものが多いです。

ヤモリの足の裏には「趾下薄板(しかはくばん)」と呼ばれる特殊な構造があり、これによって垂直な面にも張り付くことができます。

この能力は両者を見分ける最も簡単な方法で、壁や天井にくっついているのを見かけたら、それはほぼ間違いなくヤモリです。

目の特徴

ヤモリの目は、夜行性に適応した特徴があります。

瞳孔が縦に細長く、猫の目に似ており、暗闇でもよく見えるように適応しています。

また、ヤモリには瞼がないため、目を閉じることができず、透明な膜で目を保護しています。

対して、ニホントカゲには明確な瞼があり、まばたきをすることができます。

瞳孔も円形で、昼間の活動に適した構造となっています。

体色と模様

成体のニホントカゲは、褐色や灰褐色の体色をしており、背中に縞模様が見られることが多いです。

幼体は特に美しく、黒い体に金色の線が入り、尾が青みがかった色をしています。

ヤモリの場合、多くは灰色や茶色、ベージュなどの体色で、半透明に近い印象を受けることもあります。

家の中でよく見かけるニホンヤモリは、薄い灰色や肌色に近い色合いが特徴的です。

移動方法の違い

ニホントカゲは地面を素早く走り抜けるように移動します。

動きが非常に速く、危険を感じると一目散に逃げ出します。

対してヤモリは比較的ゆっくりとした動きをする傾向があり、壁面をハイハイするように移動します。

防御反応

危険を感じた際の反応も両者で異なります。

ニホントカゲは尾を自切(じせつ)する習性があり、捕まえようとすると尾を切り離して逃げることがあります。

切り離された尾はしばらく動き続け、捕食者の注意をそらす役割を果たします。

ヤモリも同様に尾を自切することがありますが、その頻度はニホントカゲほど高くありません。

代わりに動きを止めて擬死したり、狭い隙間に身を隠したりする行動が多く見られます。

餌を捕る様子

餌を捕る様子も両者で違いがあります。

ニホントカゲは動く昆虫を見つけると、素早く走り寄って捕まえます。

一方、ヤモリは待ち伏せ型の捕食行動をとることが多く、じっと動かずに餌が近づくのを待ち、適切な距離になると素早く飛びかかります。

見かける場所

ニホントカゲは主に地表近くで活動し、石垣や土手、草地の中など、日当たりの良い開けた場所で見られることが多いです。

一方、ヤモリは垂直な壁面や天井、時には窓ガラスなどにも張り付いており、家屋の内外の壁面で見かけることが多いです。

こうした違いは、両者の生態的ニッチを分ける重要な要素となっており、同じ環境に共存しながらも餌や活動空間をめぐる競争を避けられるよう進化してきた結果なのです。

季節ごとの見分け方

冬季に見かける爬虫類はほぼヤモリだと判断できます。

ニホントカゲは気温が15℃を下回ると冬眠するため、冬の間は完全に姿を消します。

一方、ヤモリは建物内部など温かい環境では冬でも活動することがあり、特に暖房の効いた室内では年間を通して見かけることができます。

以上の特徴を知っておくと、ニホントカゲとヤモリを簡単に見分けることができるでしょう。

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夜に見かけるトカゲまとめ

  • ニホントカゲは昼行性なのに対し、夜に家で見かけるのはほとんどが夜行性のヤモリである。
  • ニホントカゲは日光浴を好み、午前中の気温が上がりきっていない時間帯に活発に活動する。
  • ヤモリは夜行性で、足の裏に趾下薄板(しかはくばん)と呼ばれる特殊な器官があり、垂直な壁や天井に張り付くことができる。
  • ニホンヤモリは全長10〜14cm程度と小型で、夜行性のため活動量が少なく、比較的飼育しやすい爬虫類である。
  • ニホンヤモリの飼育では紫外線ライトやバスキングライトが不要だが、脱走防止のための対策が重要である。
  • ニホンヤモリの寿命は平均10年程度と長く、飼育する場合は長期的な付き合いになることを考慮する必要がある。

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