
レオパ(ヒョウモントカゲモドキ)をはじめて飼うとき、ケージの中に何をどう置けばいいのか、戸惑う方は多いと思います。
なかでもシェルター(寝床や隠れ家)って本当に必要なのか?という疑問は、初心者の方からよく聞かれます。
結論から言うとシェルターはレオパの飼育において欠かせないアイテムです。
シェルターが必要な理由
レオパは物陰に隠れて休む習性があるため、隠れる場所がないと強いストレスを感じます。
野生のレオパはアフガニスタンやパキスタンなどの乾燥地帯に生息していますが、昼間は岩の隙間や枯れた草木の根元といった暗くて狭い場所に潜んで過ごしています。
レオパのこの「隠れる」という本能は、飼育下でも変わりません。
夜行性で日中は岩や瓦礫の下に身を隠すレオパにとって、隠れ家は必須のアイテムです。
クールダウンしたり、落ち着ける場所としてストレスから身を守るためにもシェルターは不可欠です。
「シェルターがなくても慣れれば大丈夫では?」と思う方もいるかもしれませんが、それは大きな誤解です。
レオパにシェルターは必要ないという考えが時々見られますが、それはレオパが比較的温和で狭い場所を好まないという誤解に基づくものです。
適切なシェルターを用意することは自然に近い環境を再現することにつながり、レオパのストレスを軽減します。
特に温度調節や隠れ場所としての役割は、レオパの健康維持に不可欠です。
ウェットシェルターが初心者におすすめの理由
シェルターにはさまざまな種類がありますが、初心者に最もおすすめなのが「ウェットシェルター」です。
素焼きの陶器でできていて、上部のくぼみに水を入れるだけで使えるシンプルな構造になっています。
上部に水を溜めることができる仕組みは画期的で、徐々に陶器に水が染み込むことによりシェルター内外の湿度を上げることができ、内部湿度は90%まで上がるとのことです。
なぜそこまで湿度が重要なのかというと脱皮と深い関係があるからです。
基本的には温度ほど気にする必要はないのですが、脱皮の時に関しては湿度が重要になってきます。
湿度を高めることで皮が柔らかくなり、脱皮不全を予防することができます。
また、ヒョウモントカゲモドキの脱皮は体をモノに擦りつけながら行うので、シェルターがあることで脱皮の手助けになります。
ウェットシェルターは素焼きでできているので表面がザラザラしていて、レオパが体をこすりつけて脱皮をしやすくする効果もあります。
脱皮不全が起きると特に指先に皮が残って血行が悪くなり、最悪の場合壊死してしまうこともあるため、脱皮のしやすい環境はとても大切です。
ケージ内の湿度管理という観点でもウェットシェルターは優れています。
ケージ内全体を湿っぽくするより、乾いた床材に素焼きのウェットシェルターを配して、ケージ内に乾燥した場所と湿った場所をつくり、レオパに快適な居場所を選ばせる方が良いでしょう。
全体の湿度を上げようとするより、場所によって湿度が違う環境を作ることが、よりレオパの自然な生活に近いと言えます。
水苔シェルターという選択肢
ウェットシェルター以外にタッパーに水苔を詰めた手作りシェルターも広く使われています。
水苔には抗菌作用があるのでカビが生えにくいとされています。
水分を保持する力も強いので、定期的に水を給水すればしっかり湿度を維持してくれます。
メンテナンスも水苔を定期的に入れ替えたり、乾燥しないように注水をするくらいです。
見た目はタッパーそのものなので、ケージのレイアウトにこだわりたい方には向かないかもしれませんが、機能面では陶器製のウェットシェルターと遜色ありません。
陶器製と水苔シェルターともに湿度を維持する意味では高い効果を持つので、どちらを選ぶかは完全に好みです。
サイズと設置場所の選び方
シェルターのサイズ選びも初心者が迷いやすいポイントです。
大きければ良いというわけではなく、シェルターが小さすぎるとレオパは圧迫感を感じ、逆に大きすぎると安全感を得られません。
体長の約1.5倍の大きさのシェルターが理想的です。
基本的にレオパは密着できる狭いところが落ち着くので、広すぎると落ち着かない場合があります。
「これ入れるの?」と少し驚くくらいのタイトなサイズ感が、レオパにとってちょうど良い隠れ家になります。
レオパはシェルターに隠れてじっとしていることが比較的多いため、シェルターの直下にパネルヒーターを置くと火傷するかもしれません。
温度計でシェルター内の温度を確認しながら、ヒーターの配置を調整するようにしてください。
また、一度決めたシェルターの位置はなるべく動かさないことが大切です。
レオパは最初の段階でシェルターの場所を覚えてフンをする場所を決めるので、決めた場所がまた移動しているというのもストレスになります。
カビ対策と日々のメンテナンス
ウェットシェルターを使う上で避けられないのがカビの問題です。
ウェットシェルターは特に夏場など、放っておくと2〜3日でカビが生えてしまいます。
カビを放置するのは景観を乱すだけでなく、カビで覆われてしまうと通水性が落ちてしまうため、加湿効果も落ちてしまいます。
カビを防ぐうえで重要なのが水の量です。
ウェットシェルターの上皿に常に大量の水が入っている場合、水が多いということは余計な湿気を生み、ケージ内の湿度が不要に高くなるため、カビには格好の環境となってしまいます。
ウェットシェルターの上皿には、大体1〜2日で蒸発する程度の量を入れておくようにしましょう。
ウェットシェルターの掃除は、少なくとも週に1〜2回は行うことが推奨されています。
もしカビが生えてしまったときは、歯ブラシと流水でしっかりこすり洗いをします。
洗剤は素焼きの陶器に染み込んでしまうため使わないほうが安全です。
根深いカビになると一見洗って落ちたように見えても数日後にまた発生する可能性があるため、天日干しやレンジでの加熱でカビを根絶させる必要があります。
初心者のうちは、シェルターをもう1個用意してローテーションしながら使うと清潔に保ちやすくなります。
片方を洗って乾かしている間にもう片方を使うというサイクルを作るだけで、カビに悩まされる頻度がぐっと下がります。