
ニホントカゲの冬眠の時期はいつからいつまで?
野生のトカゲはどこで越冬する?
飼育しているトカゲの冬の過ごし方は?冬眠させる?
トカゲを冬眠させるメリットとデメリットとは?
こんなニホントカゲの越冬に関する疑問についてご紹介いたします。
ニホントカゲの冬眠の時期はいつからいつまで?
ニホントカゲの冬眠の時期
ニホントカゲの冬眠は、日本の四季の変化に合わせて行われるため、冬眠に入るタイミングは気温の低下と深く関係しています。
一般的に気温が15℃以下になるとニホントカゲは徐々に冬眠の準備を始めるとされています。
地域差と冬眠時期
ニホントカゲの冬眠時期は、地域によって多少の差があります。
北日本や山間部など気温の低下が早い地域では、10月上旬頃から冬眠に入ります。
一方で、南日本や都市部など比較的気温の高い地域では、10月下旬から11月上旬にかけて冬眠を開始します。
また、11月になっても暖かい日が続くような年には、さらに冬眠の時期が遅れることもあります。
冬眠から起きる時期
ニホントカゲが冬眠から起きる時期は、春の訪れに関係していますので、気温が上昇し、日中の気温が15℃以上になると冬眠から徐々に目覚めていきます。
地域差はありますが、一般的に3月中旬から4月上旬にかけて、冬眠から完全に目覚めるとされています。
冬眠期間の長さ
ニホントカゲの冬眠期間は、およそ5ヶ月から6ヶ月に及びます。
10月から11月にかけて冬眠に入り、3月から4月にかけて目覚めるため、半年近くを冬眠で過ごすことになります。
この長期の冬眠は、ニホントカゲが年間のサイクルの中で、季節の変化に適応するための重要な生理的プロセスなのです。
野生のトカゲはどこで越冬する?
野生のトカゲの越冬場所
野生のトカゲは、冬眠に入る際に適切な越冬場所を探しますが、多くのトカゲは地中に潜って越冬します。
ニホントカゲなどは、普段から地中に潜る習性があるため、冬眠時も土の中で過ごすのが自然な行動です。
土の中は外気の温度変化の影響を受けにくく、安定した環境が保たれるうえ、湿度が高くトカゲの体の乾燥を防ぐ効果もあります。
落ち葉の下や隙間での越冬
地中以外にも落ち葉の下や岩の隙間、木の根元などを越冬場所として選ぶトカゲもいます。
これらの場所は、外敵から身を守るのに適しているうえ、ある程度の保温効果も期待できます。
トカゲに比べてカナヘビなどは、主にこのような場所で冬眠することが知られています。
越冬場所の条件
トカゲが越冬場所を選ぶ際には、いくつかの条件が重要となります。
まずは、温度が適切であることが重要で、冬眠中は代謝が低下するため、極端な低温は避ける必要があります。
また、湿度が適度に保たれていることも大切で、乾燥し過ぎるとトカゲの体が水分を失ってしまいます。
さらに、外敵から身を守れる安全な場所であることも越冬場所選びの重要なポイントとなります。
飼育しているトカゲの冬の過ごし方は?冬眠させる?
飼育下のトカゲの冬の過ごし方
飼育下のトカゲの冬の過ごし方は、大きく分けて2つの選択肢があります。
1つは自然の季節変化に合わせて冬眠をさせる方法で、もう1つは人工的に温度管理を行い、冬眠をさせずに過ごさせる方法です。
トカゲの飼育環境や飼育目的などを考慮して、適切な方法を選択する必要があります。
冬眠をさせる場合の注意点
飼育下でトカゲを冬眠させる場合には、自然環境を再現することが重要です。
まず、気温の低下に合わせて、徐々にエサの量を減らし、トカゲの代謝を下げていきます。
適切な冬眠場所を用意することも大切で、土や落ち葉を深く敷き、トカゲが潜れるようにします。
冬眠中は温度と湿度の管理も重要です。
温度は5~10℃程度、湿度は70~80%程度が適切とされています。
また、冬眠中は完全に放置するのではなく、定期的に様子を観察する必要があります。
冬眠させずに越冬させる方法
適温を保ったまま越冬させるには、ヒーターや保温ランプを使って温度を一定に保つ必要があります。
さらに冬眠をさせずに過ごさせるためには、エサやりや水の交換など通常の飼育管理が必要です。
ただし、季節感のない環境で過ごすことが、トカゲにストレスを与える可能性もあります。
また、冬眠が繁殖のトリガーになる種もいるため、繁殖を目的とする場合は冬眠が必要になります。

トカゲを冬眠させるメリットとデメリットとは?
トカゲを冬眠させるメリット
トカゲを冬眠させることは、自然界の季節変化に沿った飼育を実現することができます。
本来、トカゲは冬眠を行う生物であり、その生理的特性に合わせた飼育は、トカゲにとってストレスの少ない環境を提供できます。
また、冬眠を経験することで、トカゲの体内では繁殖に必要なホルモンバランスの変化が引き起こされます。
そのため、冬眠をさせることで、より自然な繁殖サイクルを再現できる可能性があります。
さらに冬眠中のトカゲは、代謝が低下し、活動量も減少しますので、餌や電気代などの飼育コストを抑えることができます。
トカゲを冬眠させるデメリット
冬眠中のトカゲは、外見上は休眠状態にあるため、健康状態の判断が難しくなります。
また、適切な温度と湿度の管理が必要不可欠で、高度な管理能力が求められるため、冬眠の失敗はトカゲの健康や生命に関わる重大なリスクにつながる可能性があります。
さらに冬眠期間中は、トカゲとの直接的な交流はほとんどできませんので、トカゲの活動を観察したり、エサやりを行ったりといった飼育の楽しみが大幅に制限されます。
また、全てのトカゲが冬眠に適しているわけではありません。
冬眠前にしっかりと栄養を蓄えられていない個体や調子を崩している個体などを冬眠させてしまうとそのまま死んでしまうこともありますので注意が必要です。
このようなことを総合的に見ると、トカゲ飼育初心者の人には、ヒーターで適切な温度を保ち冬眠させずに飼育する方法をおすすめします。
ニホントカゲの冬眠まとめ
- ニホントカゲの冬眠は、一般的に10月頃から3月頃まで続き、約半年間に及ぶ。
- 野生のトカゲは、主に地中や落ち葉の下、隙間などを越冬場所として選ぶ。
- 飼育下のトカゲの冬の過ごし方は、冬眠をさせるか人工的な温度管理で越冬させるかの選択肢がある。
- トカゲを冬眠させる場合には、適切な温度(5~10℃)と湿度(70~80%)の管理が重要。
- トカゲを冬眠させるメリットには、自然のサイクルに沿った飼育、繁殖のトリガー、飼育コストの削減などがある。
- トカゲを冬眠させるデメリットは、冬眠中の管理の難しさ、長期間トカゲとの交流ができないこと、個体差への対応の必要性などがある。