
ニホンヤモリは共食いをする?
ニホンヤモリが喧嘩をする理由とは?ヤモリ同士噛むのは喧嘩?
ニホンヤモリには個体ごとの縄張りがある?
ニホンヤモリの多頭飼いはできる?注意点は?
オス同士とオスメスでも反応は変わる?
こんなニホンヤモリの多頭飼いと共食いに関する疑問についてご紹介いたします。
ニホンヤモリは共食いをする?
ニホンヤモリは爬虫類の中でもおとなしい性格の爬虫類ですが、そんなニホンヤモリでも共食いをすることはあります。
ただし、同種同士殺し合うような過激な共食いではなく、爬虫類の多くに起こり得る個体の大きさの違いによる捕食共食いです。
よってニホンヤモリの共食いが起こるのは、主に成体が幼体を捕食する場合です。
ニホンヤモリの共食いが起こる原因としては、本能的な捕食行動や狭い環境下での競争、エサ不足などが考えられます。
野生下では、ニホンヤモリは単独で行動することが多く、子育てをすることもありません。
そのため、小さな動く個体を見つけると本能的に捕食行動をとってしまうのでしょう。
また、飼育下の限られたスペースでは、エサをめぐる競争が起こりやすく、弱い個体が共食いの対象になりやすいと言えます。
ニホンヤモリの共食いを防ぐためには、成体と幼体を別々のケージで育てることが大切です。
また、十分な広さのケージを用意し、多くの隠れ家を設置して、個体間の接触を減らすことも有効です。
さらにエサをしっかり与え、飢餓状態を避けることも重要なポイントです。
ニホンヤモリは、状況次第では共食いをする生き物だということを理解し、適切な飼育環境を整えることが共食いを防ぐ鍵となります。
ニホンヤモリが喧嘩をする理由とは?ヤモリ同士噛むのは喧嘩?
ニホンヤモリが喧嘩をする主な理由は縄張り争いです。
ニホンヤモリは縄張り意識が強く、自分の縄張りに他のヤモリが入ってくると威嚇し、追い払おうとします。
追い払おうとしても相手が退かない場合に喧嘩に発展してしまいます。
喧嘩の際には、相手に噛みつくことが多く、ヤモリ同士が噛み合うのは単なる威嚇ではなく、本気の喧嘩である可能性が高いと言えます。
ただし、ヤモリが噛み合う=喧嘩というわけでもない場合もあります。
その理由はオスとメスの間では、交尾の際にオスがメスの体を噛んで安定させる行動が見られるからです。
また、喧嘩の際に見られる噛み合いとは、力の入れ方や持続時間が異なります。
喧嘩では、力強く激しく噛みつき、なかなか離そうとしないのに対し、交尾では優しく軽く噛むだけで、すぐに離すことが多いのです。
ニホンヤモリの喧嘩は、威嚇の鳴き声から始まります。
まずはお互いに「キーキー」と甲高い声で鳴き、相手を威嚇します。
それでも相手が退かない場合には、噛み合いに発展します。
噛み合いの最中も激しい鳴き声が聞こえることがあります。
ニホンヤモリの喧嘩は、時には傷つくほど激しくなることもあります。
噛み合いによって傷ついた個体が、感染症にかかって死亡してしまうこともありますので、飼育下では個体間の争いに注意し、必要に応じて隔離することが大切です。
ニホンヤモリには個体ごとの縄張りがある?
ニホンヤモリは、個体ごとに明確な縄張りを持っています。
野生下では、ヤモリは単独で行動することが多く、自分の縄張りを持つことが生存に欠かせません。
縄張りは、餌となる虫が多く集まる場所や安全に身を隠せる場所を中心に形成されます。
そのため、照明に虫が集まり、餌が豊富に得られる照明器具の周辺などはヤモリにとって格好の縄張りスポットとなります。
そんな照明の周辺の縄張りを巡って、ヤモリ同士の争いが起こることも多いのです。
ニホンヤモリは、自分の縄張りに侵入者が現れると威嚇して追い払おうとします。
甲高い鳴き声を上げ、体を大きく見せるなどして相手を威嚇するのです。
それでも相手が退かない場合、噛み合いなどの物理的な争いに発展することもあります。
また、ニホンヤモリの縄張りの大きさは、個体の大きさによって異なります。
大きな個体ほど餌を必要とするため、より広い範囲で餌を確保する必要があるからだと考えられています。
また、大きな個体は、物理的な争いでも有利になるため、縄張り争いで勝ちやすいというメリットもあるのでしょう。
さらにニホンヤモリの縄張りは季節によっても変化します。
繁殖期になるとオスはメスを探すために縄張りを広げる傾向にあります。
より多くのメスと出会うことで、繁殖の成功率を高めようとするのです。
一方、非繁殖期には、縄張りを狭めてエネルギー消費を抑えることもあるようです。
このようにニホンヤモリにとって、縄張りは生存と繁殖に欠かせないものです。
縄張りを守るために、威嚇や物理的な争いも辞さない、ニホンヤモリの縄張り防衛の様子は、野生の厳しさを物語っていると言えるでしょう。
ニホンヤモリの多頭飼いはできる?注意点は?
ニホンヤモリの多頭飼いは可能ですが、ここまでお読み頂いたように共食いや喧嘩を避けるために慎重に行う必要があります。
ヤモリは基本的に単独行動を好む生き物で、同居させるとストレスを感じやすいと言われています。
特にオス同士の組み合わせは避けたほうが無難です。
メスとメスの組み合わせなら、比較的うまくいくことが多いようです。
多頭飼いを行う際は、十分に広いケージを用意することが大前提となり、狭いケージではヤモリ同士の接触が多くなるためストレスが高まってしまいます。
よってケージの大きさは、ヤモリの数や大きさに合わせて選ぶ必要があります。
一般的には、ヤモリ一匹あたり、縦横30cm以上のスペースを確保することが推奨されています。
また、ケージ内には多くの隠れ家を設置することも重要です。
ヤモリはストレスを感じると隠れ家に逃げ込む習性があるため、岩や流木、植物など自然な隠れ家を多く用意してあげましょう。
隠れ家はヤモリの数よりも多めに用意するのがポイントです。
餌やり場も個体ごとに分けた方が良いでしょう。
ニホンヤモリの多頭飼いで最も注意すべきは個体間の闘争です。
ヤモリ同士でケンカが始まってしまうと傷つけ合ったり、最悪の場合は共食いに発展する可能性もあります。
ケンカの兆候としては、威嚇の鳴き声や顔を向かい合わせて体を大きく見せる行動などがあげられます。
こうした兆候が見られたら、すぐにヤモリ同士を隔離する必要があります。
ニホンヤモリの多頭飼いは、ヤモリの習性を理解し、適切な環境を整えれば可能ですが、ヤモリ同士の闘争やストレスに細心の注意を払う必要があります。
ヤモリの行動をよく観察し、異変に素早く対応することが多頭飼育の鍵となります。
オス同士とオスメスでも反応は変わる?
ニホンヤモリのオス同士とオスメスでは、反応や行動に大きな違いが見られます。
オス同士では、縄張り争いが激しくなる傾向があり、お互いを威嚇し合い、時には激しい喧嘩に発展することもあります。
一方でオスとメスの間では、そのような激しい争いは見られません。
オスはメスに対して優しく接することが多く、繁殖期になるとオスはメスに積極的に働きかけます。
求愛行動として、オスはメスの前で体を大きく見せたり、尾を振ったりします。
また、オスはメスに近づいて優しい鳴き声を上げることもあります。
このような求愛行動は、メスの注意を引き、交尾に導くための行動と考えられています。
交尾の際には、オスはメスの体を優しく噛んで安定させます。
これは、メスが逃げ出さないようにするための行動です。
ただし、メスが交尾を拒否する場合には、オスが強引に交尾を試みることもあります。
そのような場合には、メスが傷つくこともあるため注意が必要です。
このように、ニホンヤモリのオス同士とオスメスの反応は、繁殖戦略の違いを反映していると言えます。
ニホンヤモリの多頭飼いと共食いまとめ
- ニホンヤモリは状況によって共食いをすることがあり、特に成体が幼体を捕食するケースが多いので、共食いを防ぐためには成体と幼体を別々のケージで飼育することが大切。
- ニホンヤモリが喧嘩をする主な理由は縄張り争いで、特にオス同士の争いが激しくなる傾向がある。
- ニホンヤモリは個体ごとに明確な縄張りを持っており、侵入者に対して威嚇や攻撃で応じる。
- ニホンヤモリの多頭飼育は可能だが、喧嘩やストレスに注意が必要で十分な広さのケージと多くの隠れ家の設置、個体の相性や健康状態の観察が重要になる。
- ニホンヤモリのオス同士とオスメスでは反応や行動が大きく異なり、オス同士では縄張り争いが激しくなるが、オスメス間では穏やかな関係性が見られる。
- ニホンヤモリのオスは繁殖期になるとメスに求愛行動を示し、体を大きく見せたり、優しい鳴き声を上げたりしてメスの注意を引こうとする。