ヤモリは卵をどこに産む?
ヤモリが卵を産む時期は?
ヤモリが卵を産む場所の条件とは?
ヤモリが卵を家の中に産む事もある?
ヤモリの卵の形や色などの特徴とは?
こんなヤモリが卵を産む場所や時期に関する疑問についてご紹介いたします。
目次
ヤモリは卵をどこに産む?
ヤモリは卵を産む場所として、建物の軒下や壁の隙間、倉庫や物置の中など、人目につきにくく、外敵から卵を守れる場所を好んで選びます。
また、自然の中では木の幹や枝、岩の隙間などもヤモリの産卵場所として利用されます。
ヤモリが卵を産む場所として、軒下や壁の隙間などと聞くとちょっとした疑問が湧く人もいるかもしれませんが、実はヤモリは卵を垂直な面に接着させて産むことが多いのです。
ヤモリの卵は粘着性があるため、しっかりと壁などに張り付けることができるのです。
高い場所や垂直な場所に卵を産むことによって蛇などの天敵から卵を守る術とも考えられています。
また、ヤモリは卵を隠すように産む習性があります。
卵を外敵から守るために、人目につきにくい場所や、狭い隙間などを産卵場所に選ぶのです。
そのような理由からヤモリの卵は見つけにくく、気づかれないことが多いのです。
ヤモリが卵を産む時期は?
ヤモリの産卵時期は、主に春から初秋にかけてです。
地域や気候によって多少の差はありますが、おおむね5月から9月頃までが産卵のピークとなります。
ただし、暖かい地域では、これより早い時期から産卵が始まることもあります。
また、飼育環境下でヒーターなどを使用して保温している場合には、この時期以外でも産卵をすることはあります。
ヤモリは気温が上昇し始める春に産卵を開始し、気温が高くなるにつれて、産卵の頻度も増えていきます。
真夏の間は暑過ぎるため、ヤモリの産卵はいったん減少しますが、秋口まで断続的に産卵は続きます。
ヤモリは1シーズンに複数回産卵することが知られており、メスのヤモリは、約2週間から1ヶ月の間隔で卵を産みます。
1回の産卵で2個の卵を産むのが一般的ですが、時には1個だけ、稀に3個以上産むこともあります。
ヤモリの産卵は、日長時間や気温、湿度などの環境要因に影響されます。
日が長く、気温が高く、湿度が適度に保たれている時期が、ヤモリにとって産卵に最適な時期だと考えられています。
このような時期は餌となる昆虫も多くなるため、栄養を蓄えやすいというのも一つの理由とされています。
ヤモリが卵を産む場所の条件とは?
ヤモリが卵を産む場所の条件は、いくつか挙げられますが、まずは卵を安全に産み付けられる場所であることが大前提です。
そのため、ヤモリは卵を地面に産むことはほとんどありません。
壁や天井、家具の裏側など、垂直な面や起伏のある場所を好んで選びます。
さらにヤモリは卵を隠すように産む習性があります。
建物の軒下や壁の隙間、倉庫の中など、人目につきにくく、捕食者から卵を守れる場所を産卵場所に選ぶのです。
また、産卵場所の温度と湿度も重要な要素です。
ヤモリの卵は高温多湿な環境を好みますので、直射日光が当たらず、湿度が適度に保たれている場所が適しています。
極端に乾燥した場所では、卵が乾燥して発育が阻害されてしまうため、そのような場所は産卵を避ける傾向があります。
産卵場所の近くに餌となる昆虫がいることも重視します。
孵化した子ヤモリは、すぐに自力で餌を探さなければならないため、餌となる小さな昆虫が豊富な場所の近くに卵を産み付けるのです。
そのため、夜間に虫が集まりやすい照明の近くなどに卵が産み付けられることが多いです。
ヤモリは産卵場所として、同じ場所を繰り返し使うことがあります。
過去に卵を産んで、無事に孵化した場所は、安全で適した環境であると認識するためです。
そのため、過去にヤモリの卵が見つかった場所を定期的に注意深く観察すると卵を見つけることができます。
ヤモリが卵を家の中に産む事もある?
ヤモリは、屋外だけでなく、家の中にも卵を産むこともあります。
実は、ヤモリにとって、人間の住居は産卵場所として好ましい条件を備えていることが多いのです。
屋内は温度と湿度が比較的安定しており、外敵から卵を守れる安全な環境だからです。
ヤモリが屋内で卵を産む場所は、部屋の隅や家具の裏側、窓枠や扉の上部など様々です。
特に湿気の多い場所や、昆虫が集まりやすい照明の近くが選ばれることが多いようです。
また、ヤモリは狭い隙間を好むため、壁の割れ目や配管の隙間なども産卵場所として利用します。
屋内でヤモリの卵が見つかるのは、ヤモリが室内に侵入した証拠でもあります。
ヤモリは、窓や扉の隙間から家の中に入り込むことがあるのです。
一度屋内に入り込んだヤモリは、餌となる昆虫が豊富な室内で長期間生活することがあります。
そして、繁殖期になると室内で卵を産み付けるのです。
家の中でヤモリの卵が見つかった場合には、卵を傷つけないように注意が必要です。
ヤモリの卵は壊れやすく、人為的な影響で孵化できなくなってしまうことがあるからです。
できれば、卵を発見しても、そのまま置いておくのが賢明でしょう。
卵は約1ヶ月半から2ヶ月ほどで孵化します。
孵化した子ヤモリは、小さな体で屋内を探索し、昆虫を捕食しながら成長していきます。
もし、ヤモリの卵や子ヤモリを屋内で発見した場合は、できるだけ自然の状態で見守ることが大切です。
ヤモリは、虫を食べてくれるため、屋内の衛生環境を保つ上で、重要な役割を果たしてくれる益虫だと言えます。
ヤモリの卵の形や色などの特徴とは?
ヤモリの卵の形は、ほぼ完全な球形をしています。
直径は約1cmほどで、大きさは小指の先程度です。
卵の表面は滑らかで、つやのある光沢を帯びています。
産み立ての卵は、半透明の白色をしていますが、日が経つにつれて変化していきます。
卵の色は、当初は真っ白で半透明感があります。
その後、数日から1週間ほどで、卵の色は不透明な白色へと変わっていきます。
これは、卵の殻が硬化し、内部の胚が成長し始めた証拠です。
さらに、卵の中の胚が育つにつれて卵の色は変化します。
卵の色は、白色から薄いピンク色へと変わり、やがて灰色がかった色合いになっていきます。
これは、胚が成長し、子ヤモリの形が明瞭になってきた証拠です。
孵化が近づくと、卵の殻は非常に薄くなり、透明感が増してきます。
そうなってくると卵の中で丸まっている子ヤモリの姿が、殻を通して透けて見えるようになります。
ヤモリの卵は、産卵された場所にしっかりと接着されています。
新しい卵の表面は粘着性があり、壁や天井、木の表面などに強固に張り付きます。
そのため、一度産み付けられた卵を剥がすのは容易ではありません。
無理に剥がそうとすると、卵が割れてしまうこともありますので注意が必要です。
ヤモリの卵は、他の爬虫類の卵と比べると殻が非常に薄いのが特徴です。
薄い殻は、外界の湿度を卵の中に取り込みやすい特徴を持ち合わせています。
卵の殻は、カルシウムを主成分とする無機質でできていますが、その厚さは0.1mm程度しかありません。
これは、ヤモリの卵が乾燥に弱く、水分の蒸発を防ぐ必要があるためだと考えられています。
ヤモリが卵を産む場所まとめ
- ヤモリは卵を2個ずつ、壁や木、岩など垂直な面の表面に接着させて産む。
- ヤモリの産卵時期は主に5月から9月頃で、1シーズンに複数回産卵する。
- 卵を産む場所は、安全で外敵から守れる場所、適度な湿度がある場所、昆虫が豊富な場所を選ぶ。
- ヤモリは家の中にも卵を産むことがあり、部屋の隅や家具の裏側、窓枠などが選ばれることが多い。
- ヤモリの卵は直径約1cmの球形で、産み立ては半透明の白色だが、日が経つと色が変化する。
- 卵の色は、白色から薄いピンク色、灰色がかった色合いへと変化し、孵化が近づくと殻が薄くなる。
- ヤモリの卵の殻は非常に薄く、乾燥に弱いため、外界の湿度を卵の中に取り込みやすくなっている。