
飼育しているヤモリを冬眠させるとリスクがある?
ヤモリ飼育では気温が下がってきたらどうする?
ヤモリを冬眠させないで育てる時の注意点とは?
こんな冬のヤモリ飼育に関する疑問についてご紹介いたします。
飼育しているヤモリを冬眠させるとリスクがある?
ヤモリを冬眠させる際には、十分な事前準備と管理が必要不可欠となってきます。
まずは、冬眠させる前にヤモリのお腹に残った食べ物を糞として完全に排泄させることが重要です。
その理由として、ヤモリは冬眠に入ると代謝が著しく低下するため、腸内に残った糞が腐敗し、腸閉塞を引き起こす危険性があるからです。
冬眠前には食事量を徐々に減らし、排泄を促しながら、お腹の中に食べ物が残らないようにしていくことが必要となってきます。
この記事では、ニホンヤモリの冬眠と表現していますが、正確にはニホンヤモリは低温状態で寒さを凌いでいる状態で、完全な冬眠をするわけではありません。
冬眠中(冬越し)は飼育環境の温度管理も重要なポイントです。
ヤモリを冬眠させる場合は、気温の変化が少なく、霜が降りない程度の冷涼な場所に飼育ケージを置く必要があります。
さらに冬眠中でも、暖かい日にはヤモリが目を覚まして餌を探すことがあります。
先に述べましたように正確には冬眠ではなく、越冬であるため少しでも暖かい日があると活動します。
そのため、飼育ケージ内に餌や水を用意していないと、ヤモリが飢えや脱水で死んでしまう危険性があります。
暖かい日には、ヤモリに適量の餌を与えるなど、きめ細かな管理が求められます。
このように自然の中でヤモリが冬眠するような環境を飼育環境下で再現していかなければなりません。
ヤモリの冬眠は、本来自然界で行われる生理現象ですが、飼育下では環境が整っていないことが多いためリスクを伴います。
よってヤモリ飼育初心者には、ヤモリを冬眠(冬越し)させることはあまりおすすめできません。
ヤモリを冬眠させずに飼育する方が、健康管理はしやすいと考えられています。
ヤモリの健康状態や飼育環境を十分に把握し、適切な管理ができる経験豊富な飼育者でない限り、冬眠はリスクが高いと言えるでしょう。
冬眠させる場合は、ヤモリの状態を常に観察し、異変があれば速やかに冬眠を中断させる判断力も必要です。
飼育者の管理能力とヤモリの個体差を考慮したうえで、冬眠させるかどうかを慎重に判断することが賢明でしょう。
ヤモリ飼育では気温が下がってきたらどうする?
ヤモリは変温動物であるため、気温の変化に大きく影響を受けます。
そのため、部屋の温度が下がってくるとヤモリの体温も下がり、活動量が減少してしまいます。
エサを食べる量も減り、消化機能も低下するため、常温での放置は健康上のリスクが高いと言えます。
ヤモリを健康的に飼育するためには、気温が下がってきたら積極的に温度管理を行うことが重要です。
部屋の温度が18度を下回るようであれば、ヒーターや保温器具を使って、ケージ内の温度を20〜25度程度に保つようにしましょう。
温度管理を怠るとヤモリの免疫力が低下し、病気にかかりやすくなってしまいます。
特に気温の変化が激しいとヤモリがストレスを感じ、体調を崩すリスクが高まります。
温度管理をする際は、ケージ内の温度が大きく変化しないように気をつける必要があります。
ヒーターの位置や温度設定に注意し、温度計を設置してこまめに温度チェックを行いましょう。

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冬場のヤモリ飼育では、温度管理と日光浴の両方を適切に行うことが重要です。
ヤモリの様子を観察しながら、飼育環境を整えていくことが、健康的に冬を越させるポイントと言えるでしょう。
常温放置は避け、ヤモリの健康状態に合わせた温度管理を心がけることが賢明です。
ヤモリを冬眠させないで育てる時の注意点とは?
先にも述べましたが、ヤモリを冬眠させずに飼育する場合に最も大切なことは温度管理です。
ヤモリは変温動物なので、気温によって体温が変化し、活動量や食欲に影響を及ぼします。
冬場の室内温度は、ヤモリにとって低すぎることが多いため、ヒーターや保温器具を使って適切な温度に保つ必要があります。
一般的にヤモリの快適な温度範囲は20〜25度前後と言われています。
温度が低すぎると消化機能が低下し、食欲不振や健康問題につながる恐れがあります。
また、温度管理と同じくらい重要なのが、照明の管理です。
ヤモリは夜行性の生物ですが、飼育下では昼夜のサイクルを維持することが大切です。
昼間は明るく、夜間は暗くなるように照明をコントロールしましょう。
冬場は日照時間が短くなるため、UVBランプを使って昼間の光を補うことも重要です。
UVBランプは、ヤモリのビタミンD3合成を助け、健康な骨格の維持に役立ちます。

ただし、照射時間や距離には注意が必要です。
ヤモリを冬眠させない場合には、エサの管理にも気をつける必要があります。
ヤモリを冬眠させないのであれば、一年中エサを与え続ける必要があります。
ただし、与えすぎは肥満や健康問題につながるため、様子を見ながら適量を与えるようにしましょう。
このように適切な温度と照明の管理、エサの調整を行いながら、ヤモリの健康状態を見守ることが冬眠させない飼育の鍵となります。
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冬のヤモリ飼育まとめ
- ヤモリを冬眠させる場合は糞の排泄を確認し、温度管理と餌の管理に細心の注意を払う必要がある。
- ヤモリは変温動物であるため、気温の変化に大きく影響を受ける。
- ヤモリを健康的に飼育するには、気温が下がってきたら20〜25度に保つことが理想的である。
- 常温放置は避け、ヤモリの健康状態に合わせた温度管理を心がける。
- ヤモリは夜行性だが、飼育下では日光浴も健康維持に重要な役割を果たす。
- ヤモリを冬眠させずに飼育する場合には、適切な温度管理、照明管理、エサの調整が鍵となる。
- ヤモリの健康状態を常にチェックし、異変があれば速やかに対処することが大切。