
ヤモリとイモリの違いとは?見た目ですぐわかる?
ヤモリとイモリに毒性はある?
ヤモリとイモリで家を守るのはどっち?
ヤモリとイモリは住む場所が違う?
ヤモリとイモリはどちらが飼いやすい?
こんなヤモリとイモリの違いに関する疑問についてご紹介いたします。
ヤモリとイモリの違いとは?見た目ですぐわかる?
ヤモリとイモリは一見すると似たような姿をしていますが、実は大きな違いがあります。
まず、ヤモリは爬虫類でイモリは両生類という分類上の違いがあります。
爬虫類であるヤモリの体表は乾燥していて小さな鱗に覆われています。
一方で両生類であるイモリの皮膚は常に湿っていて、ヌルヌルとした手触りです。

また、ヤモリの指先には「趾下薄板」という吸盤のような器官があり、これによって壁や天井を自由に移動できます。
よって壁などの垂直面に張り付いている姿が見られたら、それはヤモリです。
イモリにはヤモリの手のような器官がないため、垂直な壁を登ることはできません。

さらにヤモリとイモリでは、色や模様にも違いが見られます。
ヤモリの体色は、主に灰色や褐色の地味な色合いですが、環境に合わせて体色を変化させる能力を持っています。
一方でイモリの背中は黒や茶褐色で、腹部は赤地に黒の斑点模様があるのが特徴です。
この赤い腹部は、イモリが持つ毒を他の生物に警告するための「警告色」だと考えられています。
よってお腹が赤いトカゲ(正確には両生類ですが)を見つけたら、ほぼイモリであると考えられます。
ヤモリとイモリには尾の形状にも違いがあります。
ヤモリの尾は細長く、断面が丸い形をしています。
一方、イモリの尾は側扁し、断面が縦長の楕円形をしています。
この尾の形状の違いは、それぞれの生息環境に適応した結果だと考えられています。
以上のように、ヤモリとイモリは見た目だけでも、体表の質感、指先の特殊器官の有無、体色や模様、尾の形状など、様々な点で違いがあることがわかります。
これらの特徴を見極めることで、一目でヤモリとイモリを見分けることができるでしょう。
ヤモリとイモリに毒性はある?
ヤモリには毒はなく、人が触れても全く問題ありません。
むしろ、ヤモリは昔から害虫を食べてくれる益獣として知られています。
一方でイモリは毒を持っています。
イモリの皮膚から分泌される粘液には、フグ毒と同じテトロドトキシンが含まれています。
これは、イモリが捕食者から身を守るために進化させた防御機能だと考えられています。
イモリの毒は動物が口にすると麻痺や呼吸困難を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。
ただし、毒の強さは個体差が大きく、地域差もあるようです。
また、イモリに触れただけで中毒症状が出るケースは稀で、口に入れない限りは人体への影響は限定的と考えられています。
そのため、イモリを素手で触った後に眼や口に触れると炎症を起こすことがあると言われています。
イモリから分泌される粘液に含まれる毒が、人体の粘膜を刺激するためです。
したがって、野外でイモリを見つけた場合は、むやみに触らないようにするのが賢明でしょう。
もし触れてしまった場合は、手をよく洗い流し、眼や口に触れないよう注意が必要です。
ペットとして飼育する場合も過剰な接触は避けるべきでしょう。
ただし、イモリを調理して食べる習慣が一部の地域で見られ、適切に調理すれば人への致命的な影響はないとされています。
以上のようにヤモリには毒がない一方でイモリは毒を持っているという大きな違いがありますので、イモリに触れる際は十分な注意が必要不可欠です。
ヤモリとイモリで家を守るのはどっち?
ヤモリとイモリは、ともに人の生活環境に近い場所で見かけられる生き物ですが、家を守る役割という点では大きな違いがあります。
ヤモリは、古くから家を守る益獣として親しまれてきました。
ヤモリは、主に夜行性で壁や天井を器用に移動しながら、蛾や蚊などの虫を捕食します。
また、ゴキブリやクモなども餌とするため、家の中の害虫駆除に一役買ってくれる存在なのです。
ヤモリが家の中にいると、虫の発生を抑えられるため、人間にとって良い影響をもたらすと考えられています。
ヤモリは、他の生物に対して攻撃的ではなく、人に危害を加えることもないため、安心して共存できる益獣だと言えるでしょう。
一方、イモリは毒を持っているため、家の中で見つかると、むしろ人間にとって脅威となる可能性があります。
イモリの毒は、口に入れると危険ですし、目や口の粘膜に触れると炎症を起こすこともあります。
したがって、家の中にイモリがいた場合は、できるだけ接触を避け、できれば外に逃がすのが賢明です。
ただし、イモリは主に水辺に生息しているため、家の中で見つかることは比較的稀です。
家の中の害虫駆除という点でもイモリの存在はあまり期待できないでしょう。
このようにヤモリとイモリでは、家を守る役割に大きな違いがあります。
ヤモリは益獣として歓迎されるべき存在である一方、イモリは毒を持つ危険な生物として扱うべきなのです。
家の中で見つけた場合の対処法もヤモリとイモリでは全く異なります。
ヤモリは家を守るパートナーとして大切にし、イモリは接触を避けて安全に外に逃がすことが大切だと言えるでしょう。
ヤモリとイモリは住む場所が違う?
ヤモリとイモリは、ともに日本で見られる生き物ですが、生息環境には大きな違いがあります。
ヤモリは、主に人間の生活圏に近い場所を好んで生息しています。
民家の壁や天井、庭先などでよく目にすることができます。
特にコンクリートやレンガ、木材などの建築材料を使った建物の多い都市部では、ヤモリの姿を頻繁に見かけることができます。
ヤモリは昆虫を餌としているため、灯りに集まる虫の多い場所を好みます。
そのため、夜になると建物の窓際や外灯の周りで活動する姿が見られます。
一方で両生類であるイモリは水辺に生息することが多いです。
水田や湿地、沼地など、水のある環境を好んで生活しています。
特に水田の周りの土手や用水路の周辺などでよく見かけられます。
イモリは水中で産卵するため、繁殖期には必ず水辺に集まります。
陸上でも活動しますが、乾燥に弱いため、湿度の高い場所を選んで生息しています。
また、イモリは森林にも生息しており、林床の落ち葉の下や倒木の下などを好んで利用します。
ただし、ヤモリのように建物の中で見かけることは稀です。
このようにヤモリとイモリでは生息環境が大きく異なります。
ヤモリは人間の生活圏に適応した生き物で、建物や庭先などを中心に生息していますが、イモリは水辺や森林など自然環境により強く依存した生き物だと言えます。
ヤモリとイモリはどちらが飼いやすい?
ヤモリとイモリは、ともにペットとして飼育することができますが、飼育の難易度には違いがあります。
ヤモリは比較的飼育が容易な爬虫類の一種です。
ペットショップでもヤモリ用の飼育セットが販売されているほど人気のあるペットです。
ヤモリは昆虫食であるため、餌となる虫を用意する必要がありますが、飼育下では市販の昆虫食を与えることもできます。
ただし、ヤモリは夜行性であるため、日中は隠れ家で休んでいることが多いですので、飼育環境には隠れ家となる場所を用意してあげる必要があります。
また、適度な温度と湿度の管理も大切です。
一方でイモリの飼育は、ヤモリと比べるとやや難易度が高いと言えます。
イモリは水辺に生息する生物であるため、飼育環境には水場を用意する必要があります。
水質の管理や定期的な水換えが欠かせません。
また、イモリは皮膚呼吸をするため、水中の溶存酸素量にも気を配る必要があります。
エサは主に水生昆虫や甲殻類などを与えますが、ペットショップで販売されているものは限られていますので、野外で採集することになるかもしれません。
また、イモリは毒を持っているため、素手で触ることは避けた方が無難です。
飼育する際は、手袋を着用するなどの対策が必要でしょう。
以上のようにヤモリとイモリでは、飼育の難易度に違いがあります。
ヤモリは比較的飼育が容易で初心者でも挑戦しやすいペットだと言えます。
ただし、適切な飼育環境の準備と飼育方法の知識は必要となってきます。
一方でイモリは水辺の環境を再現する必要があり、水質管理など専門的な知識が必要となります。
よってイモリの飼育は、爬虫類や両生類の飼育経験がある人向きだと言えるでしょう。
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ヤモリとイモリの違いまとめ
- ヤモリは爬虫類でイモリは両生類という分類上の大きな違いがある。
- ヤモリの体表は乾燥した鱗で覆われているが、イモリの皮膚は常に湿っていてヌルヌルしている。
- ヤモリには毒がないが、イモリの皮膚から分泌される粘液には毒が含まれている。
- ヤモリは家の中の害虫を食べてくれる益獣だが、イモリは毒を持つため人間にとって危険な存在となり得る。
- ヤモリは主に人間の生活圏に近い建物や庭先に生息しているが、イモリは水辺や森林など自然環境に強く依存している。
- ヤモリは比較的飼育が容易で初心者向き、イモリは水質管理など専門的な知識が必要で爬虫類や両生類の飼育経験者向き。
- ヤモリもイモリも、ペットとして最後まで責任を持って飼育することが重要である。