ニホンヤモリを飼育するには何を用意したらいいのか?
ニホンヤモリの飼育レイアウトを知りたい。
ヤモリに床材は必要?
こんなニホンヤモリを飼育するうえで必要な設備や飼育における注意点をまとめました。
ニホンヤモリを育てるときの参考にしてください。
ヤモリの飼い方
まずはヤモリを飼うための飼育ケースであるケージ選びですが、ニホンヤモリの場合、ニホントカゲやニホンカナヘビと違い、夜行性ですので昼間の日光浴などは必要ありません。
よってバスキングスポットやそれに付随するケージ内の温度勾配などを考える必要もないので比較的小さなケージでも育てることができます。
さらにニホンヤモリは地表を活発的に動き回るというよりも壁面に張り付いて生活していることが多いトカゲですので高さを意識したケージを選ぶとさらに良いでしょう。
照明器具の必要性
爬虫類を飼育する際に照明器具はある意味必需品とされていますが、照明器具を設置する理由と効果をしっかり理解し、ヤモリ飼育において設置を検討すると良いでしょう。
照明器具を設置する理由には大きく分けて3つあり、その一つ目は鑑賞効果を高めることです。
飼育者が日々の観察をしたり、インテリア性を高めるための目的に効果を発揮します。
二つ目は室内飼育では不足しがちな紫外線を含む波長の光を照明器具によって補う目的に使用されます。
紫外線のうちUVBと呼ばれる波長域はビタミンDの体内生成を促し、飼育環境下では不足しがちなカルシウムの吸収を促進させるために必要とされています。
昼行性の爬虫類の場合、カルシウム吸収のメカニズムはこのビタミンDの体内生成が主軸となっているため、紫外線を含まない観賞用の蛍光灯や照明器具無しでの飼育環境下では健康的に成長することができません。
ただ、ニホンヤモリのような夜行性の爬虫類の場合には紫外線要求量が極端に低く、このような照明器具が無くても育てることができます。
それでもカルシウムの吸収を助けるためのビタミンDは必須ですので、このようなライトを設置しない場合には、定期的に日光浴をさせてあげることが必要となってきます。
ニホンヤモリは強い日光を好まないため、日光浴をさせても隠れ家などに隠れてしまうこともありますが、半日陰や木漏れ日のような日光でもそれなりの効果は期待できますので、無理に強い光に当てる必要はありません。
また、紫外線にはUVAと呼ばれる波長域も含まれ、これは脱皮などの代謝を促進すると言われていますが、やはり昼行性のトカゲは要求量が多くなります。
通常観賞用に市販されている照明器具は紫外線を出すものではありませんので、紫外線を必要とするトカゲを飼育する際には紫外線照射用のライトを設置する必要があります。
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三つ目の目的は規則正しい点灯により、自然界における朝と夜を再現することです。
全ての生き物は日が昇ることにより朝を認識し、暗くなることで夜を認識します。
この規則正しい自然のサイクルが生物の体内時計を正常に機能させて健康を維持しています。
体内時計を安定させる目的だけであれば部屋の明かりや窓などからの自然光をうまく取り入れれば照明器具自体設置しなくても問題ありません。
爬虫類用のライトを使用することで天候による日照不足を気にすることはなくなりますので安心して育てることはできます。
また夜行性のヤモリを飼育するときには夜行性用ライトを使用して月明かりを再現することもヤモリの活動を活発にさせる良い方法です。
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床材
床材とは飼育容器内に地面を作るための材料です。
ニホンヤモリは地表を這いずるタイプのトカゲではないので、あまり必要ではないようにおもわれますが、床材には飼育容器内の湿度を保つ効果もあるため入れてあげることをお勧めします。
床材には保水効果のある腐葉土やヤシガラ土、黒土、ミズゴケなど色々なものが利用できますが、これらのうち何種類かをブレンドした爬虫類用の床材も市販されていますのでそのようなものを利用するのも良いでしょう。
レイアウトと隠れ家
飼育容器内にレイアウトを施すことは、ヤモリの隠れ家や足場を作るために非常に重要なことです。
夜行性のニホンヤモリは昼間は隠れ家の陰で身を潜めていることが多いもので、隠れ家を設置していないと落ち着かないようで場合によってはストレスで状態を崩してしまうものもいるほどです。
隠れ家に使用するものは隠れられる隙間ができるものであればなんでもよく、市販のシェルターから観賞魚用の土管、石や流木、コルクボードや観葉植物など様々です。
コルクボードなどは容器内に立てかけてあげることでヤモリの足場となりますので特におすすめです。
ヤモリの餌
基本的にヤモリは昆虫類やクモ類を中心としたものを主食としており、草木などの植物を中心とした食生活を送るものはいません。
よって飼育環境下での餌やりでは爬虫類の餌として市販されている餌用昆虫を与えると良いでしょう。
近所で捕まえてきた昆虫などを与えてもかまわないのですが、定期的に採集し続けるのはかなりの労力を要するうえに、寄生虫を持ち込む可能性もないわけではないことなどを考えるとやはり市販の昆虫を与える方が現実的です。